グリム童話『ものわかりのいいハンス』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。
一部ネタバレを含みますので、これから読む予定の方はご注意ください。
目次
『ものわかりのいいハンス』のあらすじ
ハンスは母の忠告を受けながら、グレーテルの元へ通う。
だが、もらった物を間違った方法で扱うため失敗を繰り返す。
最後にはグレーテルを連れ帰るも、牛小屋から持ち出した目玉を投げつけるという奇行で彼女を怒らせ……。
『ものわかりのいいハンス』の教訓・感想など一言コメント
タイトルの「ものわかりのいいハンス」という言葉がまず皮肉ですね(笑)
ハンスはせっかくグレーテルから物をもらっても、それを間違った方法で扱い、失敗続き。
それでも懲りずに通い続ける姿が妙におかしいです。
「何事もあきらめない」というちょっとした教訓があるのかもしれません。
ただ、最後にグレーテルを怒らせてしまう場面は、ちょっと残酷さが目立ちますね。
目玉を投げつけるなんて、なかなかブラックなユーモアです……。
実は「本当に怖いグリム童話」の仲間入りなのかもしれません。
グレーテルの優しさにも注目したいですね。
何度も贈り物をしてくれるのに、ハンスの奇妙な行動にはついに我慢の限界がきたのでしょう。
それでも破談になるまで、ハンスを見捨てない姿勢は立派です。
でも、さすがに目玉を投げられたら逃げたくなりますよね(笑)
全体的にコメディ要素が強いものの、少しダークな描写が混ざるところがこの話の特徴。
グリム童話らしい不思議なバランスが魅力の物語です!
『ものわかりのいいハンス』の基本データ
収録ナンバー
KHM032
原作タイトル(ドイツ語)
Der gescheite Hans
英語タイトル
Clever Hans
日本語の別タイトル
- 「利口なハンス」
など
収録版
初版から7版までずっと
- 本記事はグリム童話集第7版『ものわかりのいいハンス』をもとにした要約です。
参考資料
- グリム兄弟(編)『グリム童話全集 : 子どもと家庭のむかし話』シャルロット・デマトーン(イラスト) 橋本孝・天沼春樹(訳) 西村書店, 2013年.
- 高木昌史『決定版 グリム童話事典』三弥井書店, 2017年.
- Jacob Grimm, Wilhelm Grimm. Grimm’s Complete Fairy Tales (Leather-bound Classics), Introduction by Kenneth C. Mondschein, Translated by Margaret Hunt, Canterbury Classics, 2011.
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