グリム童話は世界でもっとも親しまれている童話集。そんなグリム童話をモチーフにした作品は、ディズニーのアニメ映画だけではありません。
日本で出ている漫画や小説にも、グリム童話をモチーフにした人気のある作品がいくつもあります。
グリム童話の残酷さを見事に活用した作品や、可愛らしくアレンジしたものまで様々です。
この記事では、そんなグリム童話の物語をネタに使った、おすすめの漫画と小説を10作品ほど紹介したいと思います。
グリム童話のダークな雰囲気に興味があれば、ぜひ手に取って読んでみてください。
それでは、本当は怖いグリム童話を堪能できる本を見ていってみましょう!
1.「まんがグリム童話」シリーズ『淫虐の国のアリス』(漫画)
まずは超有名な、「まんがグリム童話」から見てみましょう。
「まんがグリム童話」は、グリム童話の漫画版というわけではなく、長く刊行されている月刊漫画雑誌の名前です。グリム童話だけにとどまらず、他の童話や、伝説などをモチーフにして、漫画化しています。
内容は、たいていの場合「大人向け」。官能的なものや、ダークなものが多いですね。
なので、普通に童話を漫画で楽しみたい……という人よりも、よりダークで濃い話を求めている人におすすめです。
多数の作品が入り混じった漫画誌ですが、これまでにたくさんの単行本も出ています。
中でもおすすめなのは、今回取り上げた『淫虐の国のアリス』。
『不思議の国のアリス』をもじったタイトルで、パッと見ちょっとヤバそうな感じもしますが、中身はR指定ではありません。もちろんタイトル作品は『不思議の国のアリス』をモチーフにした作品がメインです。
グリム童話からは、
- 『フィッチャーの鳥』
- 『子どもたちが屠殺ごっこをした話』
の2つの童話が使われています。
グリム童話の中でも、残酷な話で有名な2つですね。
『子どもたちが屠殺ごっこをした話』のほうは、初版のみに掲載され、2版からは削除されてしまったというお墨付きのホラー作品です。
まんがグリム童話で描かれるダークな世界にも、ぜひ注目してみてください。
2.「まんがグリム童話」シリーズ『腹黒プリンセスの血染め婚』(漫画)
同じく「まんがグリム童話」から、『腹黒プリンセスの血染め婚』をおすすめしたいと思います。
これまた、タイトルからしてヤバそうな作品に思えますが、R指定ではありません。
こちらの作品は、その名のとおりプリンセスが主人公。
グリム童話から、
- 『シンデレラ』
- 『白雪姫』
- 『美女と野獣』
の3作品がモチーフとなっています。
『美女と野獣』は厳密にはグリム童話ではないですが、ほぼ『美女と野獣』と言っていい作品『夏の庭と冬の庭』が初版から6版まで収録されているので、グリム童話ということでカウントしておきましょう。
すべてディズニーでアニメ化されているプリンセスストーリーですが、もちろんそんな夢のある漫画ではありません。より残酷なプリンセスを楽しみたい方は、ぜひ読んでみてください。
3.『新・残酷の眠るグリム童話 魔性の女編』(漫画)
「残酷の眠るグリム童話」のシリーズは、「まんがグリム童話」とも似ている漫画シリーズです。その名のとおり、グリム童話や他の童話の残酷性を存分に堪能できる恐ろしい漫画です。
特に危ない女に焦点の当たった「魔性の女編」では、グリム童話から
- 『狼と七ひきの子やぎ』
- 『ラプンツェル』
の2作品が取り上げられています。
アンデルセン童話の『人魚姫』をモチーフにした作品にも注目です。
4.『新・残酷の眠るグリム童話 聖女の恥辱編』(漫画)
同じく「残酷の眠るグリム童話」シリーズから、「聖女の恥辱編」。
こちらは愛と欲望がテーマになっており、少しエロティックな要素が強まった漫画です。
グリム童話からは、
- 『いばら姫』
- 『長靴をはいた猫』
- 『白雪姫』
が、モチーフとして使われています。
アンデルセン童話から取られた、アナ雪でもおなじみの『雪の女王』にも注目です。
5.『断章のグリム』(漫画・小説)
『断章のグリム』は、グリム童話の作品を題材にした、残酷な描写の多い漫画。もともとはライトノベルで刊行されたものです。
各巻で、『灰かぶり(シンデレラ)』や、『ヘンゼルとグレーテル』などがモチーフとしてタイトルに使われ、グリム童話の世界をしっかり織りこまれた作品になっています。
ストーリーは、悪夢を題材にした怪奇現象がテーマです。
死の描写がなかなかグロステクな描き方なので、残酷な感じが苦手な人は注意してくださいね。
6.『罪科のグリム』(漫画)
グリム兄弟をモチーフにした2人のキャラクターが主人公。呪われた童話を回収する、「魔術師」が活躍するファンタジー漫画です。
赤ずきんやいばら姫など、おなじみのキャラクターも使われます。
上で紹介してきた作品に比べ、『罪科のグリム』は残酷性が少なくなっています。
学園が出てくるような、魔術系のファンタジーが好きな人には、おすすめしたい漫画です。
7.『独裁グリムワール』(漫画)
『独裁グリムワール』は、グリム兄弟の子孫が主人公の漫画。
「御伽グリム」と呼ばれる中学生の主人公が、怪しい本を見つけるところから始まります。
その本から童話の悪魔が登場し、それらを倒していくという話。海外ドラマの『GRIMM/グリム』とも少し似ている設定ですね。
ジャンルは少女漫画なので、ひどく残酷な描写などはありません。可愛らしい絵で、気軽にグリム童話ファンタジーを堪能できる作品になっています。
8.『グリムノーツ』(小説)
スマホのゲームでおなじみの『グリムノーツ』。小説版も読めるようになっています。
グリム童話をはじめ、おなじみの童話キャラクターたちが登場します。
生まれたときから与えられるという一冊の本、「運命の書」に記された役を演じる者たちの世界。だが、主人公に与えられた「運命の書」は空白だった、というところからストーリーが始まっていきます。
もちろん童話のモチーフがたっぷり。童話好きにはぴったりの、ファンタジーアドベンチャーです。
今さらゲームを始めるのもちょっと……という人は、ぜひ小説版で読んでみてください。
9.「プリンセス・ストーリーズ」シリーズ『眠り姫と13番めの魔女』(小説)
少女向けの児童文学としてアレンジされた「プリンセス・ストーリーズ」シリーズ。
可愛らしい挿絵とともに、恋愛やミステリーなどにアレンジされたグリム童話を堪能できます。
怖さや残虐性はまったくゼロ。内容は子ども向けですが、童心を忘れたくない大人でもキュンキュンしながら読める、かなりライトなグリム童話です。
『眠り姫と13番めの魔女』がモチーフにしているのは、もちろんグリム童話の『いばら姫』。特にラブストーリー要素が強い作品になっています。
このほかにも、『赤ずきん』や『シンデレラ』、『白雪姫』のアレンジもあるので、いろいろとチェックしてみてくださいね。
10.『おとぎのかけら 新釈西洋童話集』(小説)
グリム童話の怖い部分をモチーフにした、大人向けの短編小説集。
『ヘンゼルとグレーテル』、『白雪姫』、『マッチ売りの少女』など、グリム童話以外の童話も含め、有名な童話7作品が使われています。
童話モチーフの完全オリジナルの話なので、童話ベースの作品が好きな人にはもってこいです。
グリム童話のじわじわくる恐怖を味わいたい人は、現代風にアレンジされた『おとぎのかけら』をのぞいてみてはいかがでしょうか?
まとめ
ということで今回は、グリム童話をモチーフにした漫画や小説のおすすめを紹介しました。
より描写が残酷になったものもあれば、逆に可愛らしい絵になったものまで、さまざま。
童話の世界は奥が深く、その深さを利用したアレンジ作品たちもまた、エンタメを追究する濃いものになっています。
少しでも童話に興味があれば、時間の許す限り、モチーフ作品も気楽に読んでみてはいかがですか?