グリム童話『漁師とおかみ』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。
一部ネタバレを含みますので、これから読む予定の方はご注意ください。
目次
『漁師とおかみ』のあらすじ
貧しい漁師は、ある日金色のヒラメを捕まえるが、ヒラメの「逃がしてほしい」という願いを聞き入れ、海へリリースする。
しかし、その話を聞いた妻はヒラメに願い事を頼むよう言い、漁師はしぶしぶ海へ戻る。
ヒラメの力であばら屋は豪邸に変わるが、妻はそれでも満足しなかった。
次々と願いを叶えるヒラメに、妻は王様、皇帝、ついには神と同じ存在になりたいと要求する。
しかし、欲深い願いが続くたびに海は荒れ狂い、最後の願いでついにヒラメの我慢も限界に……。
『漁師とおかみ』の教訓・感想など一言コメント
ヒラメが願いを叶えるたびに海が荒れていくという、ある意味壮大なストーリー。
どこまでも欲望を膨らませる妻と、それに振り回される漁師の対比が面白いですね(笑)
海が荒れる描写は、人間の「欲」が自然や世界を乱していく象徴にも見えます。
「欲をかきすぎると、結局はすべてを失う」という、シンプルだけど大事な教訓が感じられます。
欲もほどほどにしておかないと、中毒性があるということですね。
一方で、漁師は最初から最後まで欲のないキャラクターで、「今のままでいい」という姿勢が印象的です。
欲望は一度手に入れたら止まらなくなる……妻のようにならないためにも、今ある幸せに目を向けることが大事ですね(笑)
『漁師とおかみ』の基本データ
収録ナンバー
KHM019
原作タイトル(ドイツ語)
Von dem Fischer und seiner Frau
英語タイトル
The Fisherman and His Wife
日本語の別タイトル
- 「漁師とその妻」
- 「漁師とその妻の話」
- 「漁師とその女房の話」
など
収録版
初版から7版までずっとだが、5版から少し話が変わっている
- 本記事はグリム童話集第7版『漁師とおかみ』をもとにした要約です。
参考資料
- グリム兄弟(編)『グリム童話全集 : 子どもと家庭のむかし話』シャルロット・デマトーン(イラスト) 橋本孝・天沼春樹(訳) 西村書店, 2013年.
- 高木昌史『決定版 グリム童話事典』三弥井書店, 2017年.
- Jacob Grimm, Wilhelm Grimm. Grimm’s Complete Fairy Tales (Leather-bound Classics), Introduction by Kenneth C. Mondschein, Translated by Margaret Hunt, Canterbury Classics, 2011.
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