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苦楽をわかつ(原題:Lieb und Leid teilen)
グリム童話、『苦楽をわかつ』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。 結末までネタバレしていますので、ご了承ください。
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むかし、とてもけんかっぱやい仕立て屋と、気立てがよくはたらき者で信心深い妻がいた。
仕立て屋はいつも妻にひどいことをいい、取っ組み合いのけんかをしたり、なぐりつけたりしていた。
それを耳にしたお上は仕立て屋を牢屋に入れ、しばらくして自由の身になるときには、妻をぶたないことと仲良く苦楽をわかちあって暮らすことを約束させられる。
しかし、しばらくすると仕立て屋はまたけんかっぱやくなり、なぐるわけにはいかなかったので、妻の髪の毛をつかんでむしろうとする。
妻は逃げだしたが、仕立て屋は追いかけてものさしとハサミを妻に投げつけ、そのあともたくさんのものを投げつける。
投げたものがうまく当たれば笑い、あたらないときはわめいてどなりちらした。
やがて近所の人たちがおかみさんを助け、仕立て屋はお上に呼びだされる。
仕立て屋は、妻のことをいちどもぶたないで苦楽をわかちあったといいわけを始める。
「髪をとかしてやろうとしたのに妻が逃げたので、ものを投げて当たったら妻はつらい思いをするので自分はよろこび、当たらなかったら妻はよろこぶので自分はつらい思いをした」と仕立て屋は話す。
裁判官はその答えに納得するわけがなく、仕立て屋を罰した。