白い花嫁と黒い花嫁(原題:Die weiße und die schwarze Braut)
グリム童話、『白い花嫁と黒い花嫁』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。 結末までネタバレしていますので、ご了承ください。
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1人の魔女が実の娘とまま娘をつれて村の外にいると、貧しい男に身をやつした神さまが村への行きかたをたずねる。
母親と実の娘は不親切にあしらうが、まま娘は気の毒に思って神さまを村まで案内する。
神さまは母親と実の娘に腹を立てて黒くなる魔法をかけ、まま娘のことは気にいったので3つの願いを叶えてやることにする。
娘は、太陽のようにきれいになること、使ってもなくならないさいふ、そして死んだら天国へ行くことを願う。
神さまはそれを全部叶えてやり、まま娘は白くきれいになったので、黒くなってしまった母親と実の娘はまま娘をにくく思い、ひどい目にあわせてやろうと決める。
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まま娘には王さまのところで御者をしているレギーナーという兄がおり、娘は兄のことをとても愛していて、自分に起こったことをすべて話した。
兄は美しい妹の姿を絵にえがき、王さまの城の自分の部屋に絵をかけて毎日ながめていた。
それを宮廷に仕える者たちがみていて、王さまに告げ口をする。
王さまはとても美しかったお后を亡くしてしまって悲しみにくれており、話を聞いてレギーナーの持っている絵を見るが、そこに描かれた姿は亡きお后に似ていてそれより美しかった。
王さまはそれがレギーナーの妹であることを知り、かならずその妹と結婚することを決めて、御者であるレギーナーをつかって馬車で迎えにいかせた。
レギーナーは妹にこの知らせを持ちかえると、まま娘と母親はそれを心からねたみ、母親は魔女の術を使ってレギーナーの目をくらませる。
そして白い娘の耳をつまらせ、みんなで馬車に乗りこんだ。
レギーナーが妹を心配して体がぬれないよう何かかけるようにいうが、妹は耳をつまらせているので聞きとることができず、母親は自分の服とぼうしを脱いでまま娘にやるようにいっているのだとうそをつく。
このように黒い娘にきれいな服を着せるようしむけ、しまいには白い娘に馬車から身を乗りださせてそのまま川へ突きおとす。
このように白い娘は川にしずみ、そのとたんに白いカモが泳いでいった。
レギーナーは目が見えなくなっていたので何も気づかず、黒い娘を花嫁だと思って王さまに引きわたす。
王さまは花嫁がみにくいことに怒って、レギーナーをヘビやマムシがいる穴へほうりこんだ。
母親は魔術を使って王さまの目もくらましたので、王さまは黒い花嫁を本物の花嫁だと思うようになって結婚する。
あるとき、白いカモが台所の流し台にあらわれ、コックの見習いに、レギーナー兄さんと黒い娘はなにをしているのかとたずねる。
見習いが、レギーナーはヘビとマムシのいる穴の中で、黒い娘は王さまの腕の中だと答えると、カモは「なんということでしょう」といって泳いでいく。
カモは3日続けてやってきて同じことをたずねたので、見習いは王さまにカモのことを話す。
王さまは確かめに自分で台所に行くと、カモが流し台に首を入れていたので、そこで首を切りおとす。
すると、カモはとても美しい娘に変わり、それはかつてレギーナーが持っていた絵の娘そのものだったので王さまはとても喜んだ。
娘は王さまに自分が受けたひどい仕打ちのことをぜんぶ話し、すぐに兄のレギーナーを穴から出してもらうようたのむ。
それから王さまは魔女の母親のところへ行き、「こんな仕打ちをした女にはどんな罰がふさわしいか」とたずねると、母親は何も気づかず、「裸にしてくぎを打った樽に入れ、馬に引かせて世界中を走りまわらせるといい」と答える。
その通りのことが母親と黒い娘に起き、王さまは白い娘と結婚して、レギーナーを高い身分に取りたてた。