KHM057 『黄金の鳥』のあらすじ

黄金の鳥(原題:Der goldene Vogel)

 

グリム童話、『黄金の鳥』のあらすじです。

 

* * * * * * * *

 

むかし、ある王さまは庭園を持っていて、そこには黄金のリンゴのなる木があった。

そのリンゴの数はいつも数えられていたが、ある日、リンゴが1個足りなくなっていた。

そこで、王さまは3人の息子の1番目に、黄金のリンゴの木の見はりをたのむ。

しかし1番目の息子は、真夜中になると眠気に勝てず、翌朝にはまたリンゴがなくなっていた。

王さまは2番目の息子に見はりを頼むが、それでも同じことが起きてしまう。

王さまは末っ子が上の兄さんたちにできなかったことができるわけないと信頼しなかったが、見はりをすることを許す。

末っ子の王子は眠気に負けないようにしていると、夜中の12時に金色の羽におおわれた鳥があらわれ、その鳥がリンゴをつつくのをみた。

王子が矢を放つと鳥は逃げたが、ひとひらの金の羽が落ちてきて、王子はそれを翌朝王さまに見せる。

するとその金の羽は王国全部をしのぐ価値があることがわかり、王さまはどうしても金の鳥をそっくり手に入れるといって、一番上の息子に鳥をつかまえに行かせる。

 

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一番上の王子は森の入り口でキツネにであったので銃をかまえると、キツネは命乞いをして、いいことを教えると言いだした。

キツネは王子に、村に入ると2軒の宿屋があるが、明かりのついて楽しそうにしている宿屋には入らず、静かなほうで休むように、という。

王子はやがて村へ入り、2軒の宿を見つけるが、キツネの忠告を聞かずに、楽しそうな宿屋のほうに入った。

そこで王子はぜいたくざんまいに騒いで暮らしはじめ、金の鳥や父親のこともすべて忘れてしまった。

 

 

1番目の王子が戻らないので、王さまは2番目の王子を送るが、その王子もキツネの忠告を受けたにもかかわらず、楽しそうな宿屋にいる兄にさそわれて、同じことになってしまう。

そして末っ子の王子は、反対する王さまを説得して旅立っていった。

そして森の前でキツネに会うが、兄さんたちのようにキツネに危害を加えようとはせず、キツネは王子を自分のしっぽにのせて、とてもはやく走って村へ連れていった。

王子はキツネの忠告を守って静かな宿で休むと、翌朝ふたたびキツネがあらわれて、どこにいけば金の鳥がいるかを教えてくれた。

キツネは、「まっすぐ行くと城があり、横になって眠っている兵隊を無視して、中に入り、すべての部屋を通って最後に小さな部屋に入るとそこには金の鳥が木のかごに入れられている」と言う。

そして、「となりには金の鳥かごがあるが、鳥をそのかごに入れてはいけない」と忠告した。

王子はキツネに乗せられてその城まで行き、キツネのいった通りに進んで、金の鳥を見つける。

しかし、王子はその美しい鳥をみすぼらしいかごの中に入れるのはおかしいと思い、金のかごへと移す。

すると、鳥はとても大きな声で鳴きはじめ、眠っていた兵隊たちを起こしてしまい、王子はつかまって牢屋へ入れられる。

 

 

翌朝、王子は法廷に出されて死刑処分となったが、そこの王さまは、もし王子が風よりもはやく走る金の馬を手に入れてきたら、命を助けて金の鳥をあたえることを約束した。

とまどう王子に、またもやキツネが道筋をアドバイスする。

今度は、「まっすぐ行ったところに城があり、横になって眠っている馬丁たちを無視して馬小屋に入ると、そこには金の馬がいる」ということだった。

しかし、「そばにある金の鞍ではなく木と革でできた鞍をつけないといけない」と忠告した。

王子はキツネのしっぽにのって、城までやってきて、いわれた通りに金の馬を見つけた。

しかし、このすばらしい馬にはりっぱな鞍をつけてやらないとと思い、金の鞍を馬につけようとしたとたん、馬は大きな声でいなないた。

そして馬丁たちは目を覚まし、王子は牢屋に入れられて、翌日同じように死刑宣告を受けた。

 

 

しかし王さまは、金の城の美しい姫を連れてくれば、命を助けて金の馬を渡すと約束した。

若者は旅立つと、友人のキツネにであい、キツネは王子をかわいそうに思ってもう一度助けるといい、金の城の美しい姫のことを教える。

金の城へ着き、「夜寝静まったら、姫は浴場に来るので、姫がお風呂に入ったらとびこんでキスをすると、姫はなんでもしたがうようになる」というのだった。

しかしキツネは、「姫が両親に別れを告げることをさせてはいけない」とつけくわえた。

そしてキツネは王子を金の城に連れていき、そこで王子はキツネのいった通りにして姫を連れて帰ろうとする。

しかし、姫は両親に別れをいいたい、と泣きながら許しを求めたので、王子はそれを許してしまう。

するとお城じゅうの人が目を覚ましたので、王子は牢屋に入れられる。

しかし翌朝王さまは、王子が窓から遠くを見るのをじゃまする山を1週間でとりのぞくことができたら、娘と結婚させる約束をする。

王子は休まずに山をどうにかしようとはたらいたが、7日たっても何もできずに絶望した。

すると、キツネがやってきて、自分が代わりにやる、といい、翌朝に王子が目を覚ますと山はすっかりなくなっていた。

こうして王さまは姫を王子に差しだし、王子と姫は出ていった。

 

 

そこで、あのキツネがあらわれて、今度は金の馬を取り返す方法を教えてくれた。

それは、「まず王子は金の馬のいたお城の王さまのもとへ行って美しい姫を連れていけば、彼らはよろこんで金の馬を差しだすので、すぐ馬へ乗って最後に姫の手をつかみ、馬をけってかけだす」というやり方だった。

王子はそれをうまくやりとげ、次は同じような方法で金の鳥も取り返せるとキツネは言った。

そしてその策略も成功し、王子は馬も鳥も姫も手に入れて、家へ帰ろうとした。

その途中でキツネは、自分を撃ち殺してから頭と足を切り落とすよう王子に伝える。

そんなことはとてもできないと王子は断るが、キツネはそれでお別れだといってきかない。

そして、最後にキツネは王子に、「首つり台の肉は買わないように、そして井戸のふちに座らないように」と言い残した。

 

 

王子は、前に宿が2軒あった村を通りかかると、そこで人がさわいでいるのを見つける。

そこでは、いたずらのかぎりをつくして一文無しとなっていた兄さんたち2人がしばり首になろうとしていた。

王子は、お金を払って兄さんたちを自由の身にし、いっしょに旅をつづけた。

そして、最初にキツネに出会った森へくると、2人の兄さんたちは、そこにあった井戸で少し休むことを提案した。

そして休んでいるうちに王子は思わず井戸のふちに座ると、兄さんたちは弟を井戸の中へ突き落してしまい、姫と馬と鳥をうばって父王のもとへ戻っていった。

兄さんたちはすべて自分たちの手柄だということにしたが、馬は何も食べず、鳥は鳴かず、姫は泣きつづけていた。

 

 

末の弟は水のかれた井戸のコケの上に落とされたので、けがひとつなかったが、外へ出ることができなかった。

すると、友人のキツネは彼を見捨てず、まずは自分の忠告を守らなかったことをしかった。

そして、キツネは自分のしっぽをつかませて王子を地上へ引き上げ、兄さんたちは弟を見かけたら城の番兵に殺すように命じてあることを忠告した。

そこで末の王子は道端で見つけたまずしい男と服をとりかえて、王さまの宮殿へ入っていった。

その身なりからだれも王子だと気づかなかったが、鳥が鳴きだし、馬が食べはじめて、姫は泣くのをやめた。

王さまはふしぎになって姫に何がおきたかたずねると、姫は、本当の花婿さんが来たような気がする、といって、兄さんたちに口止めされていた本当に起こったことを全部王さまに話した。

王さまは城にいる者をみんな自分の前に連れてくるよう命じ、そこで姫は王子をすぐに見つける。

兄さんたちはとらえられて処刑され、弟の王子は姫と結婚して王さまの跡継ぎとなった。

 

 

しばらくたって、王子が森へ行くと、あのキツネに出会う。

キツネは、自分の不運はまだ終わっていないと言って、どうか自分を撃ち殺して頭と足を切り落としてくれ、と王子にたのむ。

王子は願い通りにすると、魔法の解けたキツネは人間の姿になり、それは美しい姫の兄さんであった。

そして、みんなは生きている間、幸せに暮らすことができた。

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