KHM056 『恋人ローランド』のあらすじ

恋人ローランド(原題:Der liebste Roland)

 

グリム童話、『恋人ローランド』のあらすじです。

 

* * * * * * * *

 

ある魔女には1人の娘と、1人のまま娘がいた。

本物の娘はみにくくいじわるで、まま娘は美しく心のやさしい子だったが、魔女は本物の娘を大事にしていて、まま娘をきらっていた。

ある日、まま娘がきれいなエプロンをもっているのを娘がねたましく思い、それを母親に伝えると、魔女の母親はあんな子はとっくに死んでいればよかったと言う。

母親は娘に、まま娘を前に出して寝れば、夜中に首を切り落とすと伝える。

まま娘はその会話をかげで聞いてしまったので、夜は先にベッドに入り、妹が眠ったのをみてそっと前に出して、自分は壁ぎわにの方にうつった。

すると、オノをもった母親が忍びこんできて、自分の本物の娘の首を切り落としてしまった。

まま母が出ていくと、娘は家をぬけだして、恋人のローランドをたずねる。

母親が本物の娘を殺したと気づけば、自分たちの命もあぶない、と説明すると、ローランドは、まま母の魔法の杖を奪ってくるように、という。

そこで娘は家に戻り、まま母の魔法の杖を取って、死んでいる妹の頭から血のしずくをベッドの前、台所、階段と3か所の床にたらした。

そして娘は恋人と逃げていった。

 

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翌朝、魔女の母親は自分の娘を呼ぶと、階段の血のしずくが、ここでそうじをしている、と答えた。

そこで階段に行ってもう一度呼びかけると、次は台所から血のしずくが、ここであたたまっている、と答えた。

そして台所へ行きもう一度呼ぶと、今度はベッドの中で眠っている、と寝室の血のしずくが答えた。

そこで、魔女は寝室に入ると、自分の娘の首が血の海に浮かんでいるので、怒りくるって窓へいき、そこでなんでも見わたせる魔女はまま娘がローランドと逃げていくのをみる。

そして、魔女は1歩で1時間の道のりを歩ける魔法の長靴をはいて、2人に追いついた。

 

 

しかし、娘はまま母が追ってくるのがわかり、杖でローランドを湖に変えて、自分はカモになり、湖に浮かんだ。

魔女はパンくずを投げてカモをおびきよせようとしたが、カモはのってこないので、魔女はあきらめてひきかえす。

次の夜が明けて、娘は自分を美しい花に変えてイバラの茂みに立ち、ローランドをバイオリン弾きに変えた。

ふたたび魔女がやってきて楽士に、この花を折ってもいいか、と聞くと、楽士は、それでは合わせてバイオリンを弾きましょう、という。

そして魔女がイバラの茂みに入って花を折ろうとしたところ、楽士が音楽を弾きだしたので、魔女は踊らずにいられなくなった。

楽士は魔法のおどりの曲を弾いていて、はやく弾けば弾くほど魔女は激しくとびはねなくてはならず、やがてイバラが魔女の体を引き裂き、魔女は倒れて死んでしまう。

2人は助かり、ローランドは国へ帰り婚礼のしたくをするといって出かけ、娘は野原の赤い石になって恋人の帰りを待った。

しかし、ローランドは家で他の女のわなにかかり、その女は手をつくして恋人の娘のことを忘れさせた。

娘は長いあいだ待ちつづけたが、ローランドは戻ってこないので、悲しみのあまり花になった。

 

 

あるとき、ヒツジ飼いがその花を見つけて、それがとても美しいので手折って家に持ち帰り、箱の中に入れた。

すると、ふしぎなことにヒツジ飼いが朝起きると、家じゅうが片付いていて、昼に帰ると食事のしたくができていた。

ヒツジ飼いはふしぎに思いながらも家事の手伝いがあることは気にいったが、だんだん気味悪くなってきて、かしこい女のところへ相談に行く。

するとかしこい女は、朝早く起きて動いているものに白い布を投げれようアドバイスする。

翌朝、箱から花が出てきたので、ヒツジ飼いは言われたとおりにすばやく白い布をかけると、かかっていた魔法は解けて、美しい娘があらわれた。

そして娘は自分の身の上を話すと、ヒツジ飼いは娘が気にいったので結婚しないかとたずねる。

しかし、娘はまだローランドへの想いが強く、その求婚はことわったが、それ以降も家にいて家事をすることを約束した。

 

 

ある日、ローランドの結婚式の知らせがとどき、娘たちが集められてお祝いの歌を歌うようにというおふれがあり、娘は心がはりさける思いだった。

結婚式など行きたくなかったが、ほかの娘に連れていかれ、歌うこともうしろに下がって避けていたので、最後に歌う番になってしまう。

しかし、娘が歌いだすと、ローランドは忘れていたすべてのことを思いだし、本当の花嫁に気づく。

そして娘はローランドと婚礼の式をあげ、よろこびに満ちた日々がはじまるのであった。

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