KHM054 『背嚢と帽子と角笛』のあらすじ

背嚢と帽子と角笛(原題:Der Ranzen, das Hütlein und das Hörnlein)

 

グリム童話、『背嚢と帽子と角笛』のあらすじです。

 

* * * * * * * *

 

むかし3人の兄弟がおり、かれらはとても貧しく、飢えに苦しんでいた。

あるとき、3人でこの苦境から抜けだそうと決め、旅へ出ていった。

長いあいだ旅をしていると、ある日大きな森へ出て、そのまん中には全体が銀でできた山があった。

1番上の兄は、幸せを見つけたと思って、銀を持てるだけ持って家へ帰っていった。

あとの2人は、まだこれ以上の幸せがあるかもしれないと思い、先へと旅を続けた。

またしばらくして、べつの大きな森に出ると、そこには金でできた山があった。

2番目の兄はその金を持てるだけ持って、弟には別れをつげて帰っていった。

3番目は、きっともっといいものが先にあると信じて、進んでいく。

しばらく行くと、今までみたことのないような大きな森があり、山の上から見下ろしても果てがみえなかった。

その山をおりて、男が何か食べたいと思うと、木の下にテーブルがあり、そこにはとても豪華なごちそうが並んでいた。

誰が用意したのか不思議がりながらも、おなかがいっぱいになるまで食べ、テーブルクロスがぼろぼろになってはいけないとそれをたたんでしまいこみ、先へ進んだ。

夕方になりおなかがすいたので、そのテーブルクロスを広げると、素敵な食事を用意してくれと言うか言わないかのうちに、おいしそうなごちそうが彼の前に並んだ。

それはいつでも食事を用意してくれる魔法のテーブルクロスだったが、男はもっと幸せなことがあるのではないかと思い、テーブルクロスを持ったまま先に進む。

 

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ある日、森の中で1人の炭焼きが食事をしようとしているところにであい、炭焼きは男にジャガイモをいっしょに食べないかとまねく。

男はこちらが招待するよと言って、テーブルクロスを使ってごちそうをたくさん炭焼きに食べさせる。

食事が終わると、炭焼きは男に、そのテーブルクロスと兵隊の背嚢(はいのう)を交換しないかという。

その背嚢は、ポンとたたくと6人の兵隊をつれた伍長があらわれて、命令をするとなんでもやってくれるというものだった。

男はそれが気にいったといい、テーブルクロスと引きかえて、その背嚢を肩にかけ、炭焼きと別れる。

 

 

しばらくしてその力を試そうと、背嚢をたたいて兵隊たちを呼びよせ、炭焼きからテーブルクロスを取りかえすよう命じる。

兵隊たちは命じたとおりにテーブルクロスを取りあげてきたので、男は満足して先へ進んでいく。

しばらく行くとまたべつの炭焼きにであい、同じように男はテーブルクロスで炭焼きにごちそうする。

すると炭焼きは、テーブルクロスと、頭の上でまわすと何もかも撃ちおとす大砲が出てくるという帽子を引きかえないかという。

男はそれを受けいれて、引きかえに帽子を頭にかぶり、テーブルクロスを置いていく。

しかし、しばらくたって背嚢をたたいたので、兵隊たちはまたしても炭焼きからテーブルクロスをうばい返してきた。

男は3人目の炭焼きと出会い、テーブルクロスでごちそうをすると、引きかえに角笛をもらった。

その角笛を吹くと、城壁や要塞はすべて崩壊して、町や村はしまいにがれきの村となってしまう、ということだった。

結局、男は角笛を受けとり、今までと同じように背嚢の兵隊を使ってテーブルクロスを取りかえしたので、背嚢、帽子、そして角笛すべてを手にいれたのだった。

 

 

男は兄たちの様子を見に家に帰る。

兄さんたちは手に入れた金と銀で豪勢なくらしをしていて、弟がたずねてきても、そのぼろぼろな姿から、自分たちの弟だとは信じずに追いだした。

弟はとても怒って背嚢をたたき、150人の兵士が集まって兄さんたちの家を包囲させ、たたきのめした。

それが国の王さまに知られて、王さまは腹を立て傭兵隊長とその軍隊を派遣したが、男は背嚢でさらに大きな軍隊をよんで王さまの軍隊を撃退した。

王さまはより大きな軍隊でたちむかおうとするが、男は背嚢の軍隊にくわえて、帽子をつかって大砲もだしてきたので、王さまの軍隊はさんざんな目にあう。

男は、王さまが娘を自分の嫁にくれて、自分が王さまの名において国をおさめることになるまでは、王さまとは和解しない、といい、王さまは娘を男の嫁にするという条件をうけいれた。

 

 

姫は男と結婚することになったが、姫は男の身分や古ぼけた背嚢にたいしてとても不満で、夫を追いはらうことばかり考えた。

そして、夫の背嚢に何か秘密があるのではと思い、いろいろな手をつかって夫から秘密を聞きだした。

そして、夫からうまいこと背嚢をうばうとすぐに逃げだし、そこで背嚢をたたいて夫を国から追いだすように命じた。

しかし、夫はまだ帽子を持っていたので、そこで帽子をまわして大砲が火を噴きだしたので、姫は許しをこうはめになった。

しばらくは姫も夫を愛しているふりをしていたが、やがて帽子の秘密をあばきだして、夫の寝ているあいだに帽子をとりあげて、夫を道に投げとばす。

ところが、夫はとても怒って角笛を吹いたので、城壁、町、村のなにもかもが崩れおち、王さまと姫はうち殺されてしまった。

夫にたちむかうものはもうだれもいなくなり、彼は王位について国をおさめることになった。

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