KHM047 『ねずの木の話』のあらすじ

ねずの木の話(原題:Von dem Machandelboom)

 

グリム童話、『ねずの木の話』のあらすじです。

 

* * * * * * * *

 

あるところに金もちの男がいた。

男には美しく信心深い奥さんがいて、深く愛し合っていたが、子どもがおらず、奥さんは毎日子どもがさずかるようにお祈りをしていた。

家の前の広い土地に1本のねずの木があり、ある寒い冬の日に奥さんはその木の下でリンゴの皮をむいていた。

すると、奥さんは自分の指を切ってしまい、血が雪に落ちた。

それを見て、奥さんはとても悲しい気もちになり、血のように赤くて雪のように白い子どもがほしい、と口に出していうと、なんだかうれしい気もちになる。

それから、1か月、2か月たつごとに、雪はとけていき、地面からは花が芽を吹く。

6か月がすぎるとたくさんの実がなり、7か月すると奥さんはねずの実をたくさん食べて、悲しくなり病気になってしまう。

8か月たち、奥さんは夫に、自分が死んだらねずの木の下に葬ってほしいとたのむ。

9か月たつと、雪のように白く血のように赤い男の子が生まれて、奥さんはたいへんよろこび、そのよろこびのあまり死んでしまった。

夫は妻をねずの木の下にうめて、激しく泣いた。

しばらく泣きつづけ、だんだんおだやかな気もちになり、泣かなくなってしばらくすると、また夫は新しい妻をもらった。

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2人目の奥さんとの間にはマルレーネちゃんという女の子が生まれた。

奥さんは彼女ばかりをかわいがって、最初の奥さんの息子をいじめていた。

ある日、娘がリンゴをちょうだいといったので、奥さんは大きなするどい鉄の錠前がついたふたをもつ箱の中からリンゴを1個あたえる。

お兄ちゃんもリンゴをもらっていいかと娘が聞くと、とつぜん奥さんに悪魔が宿ったようになり、リンゴを娘からとりあげて箱にしまった。

そして男の子が帰ってくると、奥さんはリンゴがほしいかと聞き、男の子がちょうだいといったので、あの箱のところへ連れていく。

ふたを開けて自分でリンゴをとるように言うと、男の子が箱の中にかがんだ瞬間に奥さんはふたを閉めた。

それで男の子の首がとび、赤いリンゴのなかに落ちた。

 

 

奥さんはとつぜんこわくなり、男の子の胴体に頭をのせて白い布で巻きつけ、ドアの前の椅子に座らせて、手にリンゴをもたせた。

そのあとでマルレーネちゃんが奥さんに、お兄ちゃんは真っ青な顔をして手にリンゴを持っているけど、リンゴをちょうだいといっても返事をしない、と話す。

奥さんは、返事がなければ耳のうしろをたたきなさい、という。

マルレーネちゃんはお兄ちゃんの返事がないので、いわれた通りに耳のうしろをたたくと、首が落ちてしまう。

マルレーネちゃんはびっくりして、自分がお兄ちゃんの頭をたたき落としちゃった、と泣きやまなかった。

 

 

奥さんはだれにもみつからないように煮込み料理にしようと言って、男の子の体をぶつ切りにして鍋で煮はじめた。

マルレーネちゃんはたくさん泣いたので、涙が鍋に入り味つけとなった。

父親が帰って息子はどこにいるのかとたずねると、親戚のところへしばらく行くことになった、と奥さんはごまかす。

父親は息子が何もいわずに出ていったことをなげいたが、煮こみ料理を食べはじめると、とてもおいしいと言って、骨を全部テーブルの下に投げながら、自分だけで残らず食べてしまった。

マルレーネちゃんは自分のもっている一番上等な布にテーブルの下の骨を全部つつみ、その骨をねずの木の下に置いた。

すると、ねずの木はまるでよろこんでいるように動きだし、木からは炎ができて、そこから美しい鳥が1羽、美しい声で鳴きながら飛びだしていった。

マルレーネちゃんが木の下をみると、布につつんだ骨はなくなっていて、まるでお兄ちゃんが生き返った気がしてうれしくなった。

 

 

鳥は金細工師の家の上にとまり、「お母さんはぼくをつぶし、お父さんはぼくを食べて、妹のマルレーネちゃんはぼくの骨を包んでねずの木の下に置いた、ぼくはなんときれいな鳥なんだろう」とうたった。

金細工師は鳥の歌に聞きいり、しまいには鳥のところへ走っていき、もう一度うたってくれ、とたのんだ。

金細工師が手にもっていた金の首かざりをあたえると、鳥は首かざりを右足の爪で受けとり、もう一度うたう。

そして、次は靴屋の屋根の上でその歌をうたった。

すると、靴屋はその歌をきいてすぐに外へかけだし、とても歌のうまい鳥だ、といって自分の家族や靴職人、見習い、女中をぜんぶよび、もう一度歌ってくれとたのむ。

鳥が二度目はただではうたわないというので、靴屋は1足の赤い靴をプレゼントした。

鳥はその靴を左足の爪で受けとり、もう一度歌をうたった。

そして、鳥は粉ひき小屋へ飛んでいったが、そこでは20人の粉ひき職人が仕事をしていた。

鳥が同じ歌をうたいはじめると、つぎつぎ粉ひき職人は仕事の手を休めはじめる。

最後に手を休めた職人が、もう一度同じ歌をうたってくれというので、鳥は石臼をもらうことを条件にする。

職人が全員承諾したので、鳥は石臼の穴に首を通して、木の上で同じ歌をもう一度うたった。

うたい終えると、鳥は父親の家まで飛んでいった。

 

 

家では父親と奥さんとマルレーネちゃんが食事をしていた。

そこへ鳥がやってきて屋根にとまると、父親はとてもうきうきしてきて、奥さんはおそろしい気もちになり、マルレーネちゃんは涙を流しつづけた。

まず、鳥が、母さんはぼくをつぶし、と歌うと、奥さんは耳をふさいで目も閉じた。

次に、父さんはぼくを食べた、と歌うと、父さんは歌に心おどらされ楽しくなった。

そして、ぼくの妹マルレーネちゃん、と鳥がうたうと、マルレーネちゃんは泣きに泣いた。

父親は必死で止める奥さんをふり切って、鳥を見るため外へ出た。

 

 

鳥はうたい終わってから金の首かざりを落とし、それが父親の首にはまった。

父親は家の中で奥さんにとてもきれいな鳥だと話すが、奥さんはおそろしさに震えていて、鳥がもう一度うたいだすとそのまま倒れてしまう。

マルレーネちゃんは、外へ出て鳥を見にいくと、鳥は赤い靴を投げ落とした。

マルレーネちゃんはとても嬉しくなって、赤い靴をはいて、よろこんで家に帰る。

奥さんはそれをみて、おそろしい気もちは消えなかったが、気が楽になるかもしれないから外へ出ようといって戸口から出ていく。

すると、鳥が奥さんの頭めがけて石臼を落としたので、奥さんは押しつぶされてしまった。

父さんとマルレーネちゃんが音をきいて外へ出ると、そこにはけむりと炎が立ちのぼっていた。

それが消えたとき、そこにはお兄ちゃんが立っていた。

お兄ちゃんと父さんとマルレーネちゃんは、心晴れ晴れとして家に入り、食卓についてごはんを食べるのだった。

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