KHM035 『天国へ行った仕立て屋』のあらすじ

天国へ行った仕立て屋(原題:Der Schneider im Himmel)

 

グリム童話、『天国へ行った仕立て屋』のあらすじです。

 

* * * * * * * *

 

ある日、神さまが使徒と聖者を連れて、天国の庭を散歩しに行き、聖ペテロだけが天国にのこった。

神さまは聖ペテロに、自分がいない間はだれも天国に入れてはならないと伝えていた。

聖ペテロは門番をしていると、1人の男がやってきて、自分は正直な仕立て屋で、足がわるく戻ることもできないのでどうか中に入れてください、と頼む。

聖ペテロは追い返そうとするが、仕立て屋は必死に頼みこみ、聖ペテロはしだいに足の不自由な仕立て屋のことが気の毒に思えてきたので、扉を少しだけ開けて中に入れた。

聖ペテロは仕立て屋に、天国の中では神さまに見つからないよう扉のうしろの片隅に座っているよう言いつける。

 

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仕立て屋はしばらく言われた通りにしていたが、聖ペテロが出ていくと、好奇心にかられて天国を隅から隅まで見てまわりはじめた。

そしてある場所にたどりつき、そこにはたくさんの豪華ないすが並んでいて、その中でも特に豪華で純金でできているひじかけいすに仕立て屋は惹きつけられる。

そのいすは神さまのもので、いちばん高いところにあって前には金の足台があり、神さまはそこから下界でおきていることをなんでも見ることができた。

仕立て屋はしばらくそのひじかけいすを眺めていたが、ついにがまんができなくなり、そのいすに腰をおろす。

 

 

そして、いすから下界をながめると、ある1人の老婆が小川で洗濯をしているところが目にとまる。

その老婆は、洗濯をしているときにベール2枚をそっとわきにとりのけたのである。

これをみて、仕立て屋は腹をたて、前にあった金の足台をその老婆めがけて投げつけた。

一度下界に投げつけた足台をもどすことはできないので、仕立て屋は何もなかったかのような顔をしてもとの場所にもどった。

 

やがて神さまがもどってきて、ひじかけいすに座ると、足台がなくなっているので聖ペテロに足台はどこにいったのかたずねた。

聖ペテロはほんとうに知らなかったので、神さまは自分のいない間にだれかを天国に通したかたずねると、聖ペテロは仕立て屋の話をする。

神さまは仕立て屋をよんで、足台のことをたずねると、仕立て屋はどろぼうの老婆を見つけてしまい、あまりにも腹が立ったので足台を投げつけましたとこたえた。

神さまは、すべての悪事にそのような裁きをしているとどうなると思うか、まわりのものを全部罪人のところへ投げつけることになる、話す。

そして神さまは、裁くことのできるのは自分だけであって、このようなことになっては仕立て屋は天国の門から出ていかなくてはならないことを告げる。

聖ペテロは仕立て屋を天国から連れだして、仕立て屋は、天国と地獄のあいだにある待合の村へと向かっていった。

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