KHM036 『おぜんやご飯のしたくと金貨を生む騾馬と棍棒袋から出ろ』のあらすじ

おぜんやご飯のしたくと金貨を生む騾馬と棍棒袋から出ろ(原題:Tischchen deck dich, Goldesel und Knüppel aus dem Sack)

 

グリム童話、『おぜんやご飯のしたくと金貨を生む騾馬と棍棒袋から出ろ』のあらすじです。

 

* * * * * * * *

 

むかし1人の仕立て屋がおり、3人の息子と1頭のヤギと暮らしていた。

3人の息子が順番に、ヤギを草原につれていき、おいしいミルクを生みだしてもらうためにえさを食べさせていた。

ある日、1番目の息子がヤギをおいしい草の生えている教会の墓地へ連れていき、ヤギはそこをとびまわっていた。

夕方になり、息子がヤギにお腹はいっぱいかと聞くと、ヤギは、お腹はいっぱいでもう葉は食べられないという。

家に帰った息子は、父親にもうヤギはお腹いっぱいだそうだと伝えた。

だが、父親は自分でたしかめようと思ってヤギ小屋へ行き、お腹いっぱいなのかと聞くと、ヤギはそんなわけはない、葉っぱ1枚もみつからなかった、とこたえる。

父親は怒り、1番目の息子を追い出してしまう。

 

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次の日に、2番目の息子がヤギを庭のいけがきのところの、おいしい草がたくさん生えている場所に連れていき、ヤギは葉をたくさん食べた。

夕方に、息子がヤギにお腹はいっぱいかときくと、ヤギはやはり、お腹はいっぱいでもう葉は食べられないという。

家に帰り、息子は父親に、もうヤギはお腹いっぱいだそうだと伝えたが、今回も父親は自分でたしかめるために、ヤギ小屋へ行き、お腹いっぱいなのかと聞くと、ヤギはまた、そんなわけはない、葉っぱ1枚も見つからなかった、とこたえる。

父親は怒り、2番目の息子も追い出してしまう。

今度は3番目の息子の番になり、自分はしっかりしなければと思い、葉のこんもり茂った茂みをみつけて、ヤギに食べさせた。

夕方に、息子はヤギにお腹はいっぱいかときくと、ヤギはやはり、お腹はいっぱいでもう葉は食べられないという。

家に帰って、息子は父親に、もうヤギはお腹いっぱいだそうだと伝えたが、仕立て屋は信用せずにヤギ小屋へ行き、お腹いっぱいなのかと聞くと、ヤギはそんなわけなはない、葉っぱ1枚も見つからなかった、という。

父親はどいつも信用できないと怒鳴り、3番目の息子も追い出してしまった。

 

 

仕立て屋はヤギと2人きりになり、自分でヤギをよい草のたくさん茂る場所に連れていき、好きなだけ食べさせた。

夕方に、お腹いっぱいかとたずねると、ヤギはお腹いっぱいだとこたえた。

ヤギ小屋に連れて帰り、最後にもう一度、今度こそお腹いっぱいだろうとたずねると、ヤギはそんなわけはない、葉っぱ1枚も見つからなかったというのだった。

仕立て屋はおどろいて、自分が理由もなく息子を追い出してしまったのだとわかり、怒ってヤギの頭を丸刈りにし、二度と戻るなと言いつけて追い出した。

仕立て屋は1人きりになり、息子たちに戻ってきてほしいと思ったが、かれらがどこに行ってしまったのかわからなかった。

 

1番目の息子は、家具職人のところへ見習いにいっており、見習いの期間が終わると修行に出ることになった。

親方は息子に、見た目はふつうだが、「テーブルよ、食事のしたくを」といえばすごく豪華な食事と飲み物を出してくれるテーブルをあたえた。

息子はこれでどこにいても、どこに泊まっても食事に困ることはなかった。

しばらくたって、そろそろ父親のもとにもどり、このテーブルで父親を喜ばせようと思い、家路についた。

途中で立ち寄った宿屋で、ほかの客たちが家具職人の息子を優しくむかえてくれたので、息子はかれらに魔法のテーブルを使ってごちそうをする。

それを宿屋の亭主が見ており、悪だくみを考え抜き、息子の寝ている間に、ごちそうを出してくれるテーブルを、似たようなふつうのテーブルとすり替えてしまう。

息子はそのまま、何の疑いもなく家に帰り、父親は息子をみてとてもよろこんだ。

息子は父親にいい思いをさせてあげようと、ごちそうを出すテーブルを手に入れたので、親戚をぜんぶ招待するようにとたのむ。

そして親戚中が集まり、息子はテーブルを立て、「テーブルよ、食事のしたくを」と呼びかけるが、テーブルはなにも出さなかった。

親戚たちは何も飲み食いできずに帰ってしまい、息子はテーブルをすり替えられたのだと気づき、ふたたび家を出て、ある親方のところで仕事にいった。

 

2番目の息子は、粉ひきのところで見習いをしていて、見習い期間が終わったあと、親方は息子に、「ブリクレブリット」ととなえると金貨をたくさん吐きだすロバをあたえた。

息子はこれで世の中にでても困ることはなかった。

しばらくして、粉ひきの息子も、父親のもとに戻り、金貨を出すロバで父親をよろこばせようと思い、家路についた。

途中で、家具職人の兄が立ち寄った宿屋と同じところにたどりつき、そこで、宿屋の亭主にロバから金貨を出しているところをこっそり見られてしまう。

宿屋の亭主は同じように悪だくみをして、息子が寝ている間にこっそりと金貨を出すロバをふつうのロバとすり替える。

粉ひきの息子も、何の疑いもなく、翌朝父親のところへ戻り、父親はたいへん喜んだ。

息子は父親に、親戚一同金もちにしてやるので、みんなを招待するようにいった。

そして親戚が集まり、息子はロバに「ブリクレブリット」ととなえるが、ロバは金貨などは出さなかった。

親戚たちはけっきょく何も持たずに帰ることになり、息子は宿屋でロバをすり替えられたのだと気づき、ある粉ひきのもとで奉公することとなった。

 

3番目の息子はろくろ細工師のところで見習いをしており、細かい技術のいる仕事で、一番長く学んだ。

そのあいだに、兄さんたちは弟に手紙で自分たちの魔法の品ものが宿屋の亭主にうばわれたことを伝えてあった。

ろくろ細工師の見習い期間が終わると、親方は息子にこん棒の入った袋をあたえた。

「こん棒よ、袋から出てこい」というと、こん棒が出てきて、悪いことをしたものの背中をたたきのめすのだった。

ろくろ細工師の息子は兄さんたちが盗みにあったあの宿屋にたどりつき、自分のもっている袋はすばらしい宝だと話す。

それを聞いていた宿屋の亭主はその袋の宝をうばってやろうと思い、息子が寝ているときに、部屋に忍びこみ、まくらにしていた袋を引っぱった。

息子はしっかりとその機会をうかがっていたので、そこで大声で「こん棒よ、袋から出てこい」というと、こん棒は亭主を勢いよくなぐりつけはじめた。

そこで息子はテーブルとロバを返さないかぎりは、こん棒をもとには戻さないと言うと、亭主は全部返すのでこのこん棒を袋に戻してくださいと降参する。

ろくろ細工師の息子は魔法のテーブルとロバを連れて、父親のもとへ帰り、よろこぶ父親に今度は自分が親戚をごちそうでもてなし、金をもたせてやるというので、仕立て屋は疑いつつ、親戚たちを招いた。

まず、粉ひきの兄がロバに「ブリクレブリット」ととなえると、ロバは金貨をたくさん出し、みんなは持ちきれないほどの金を手にした。

そして、家具職人の兄がテーブルに「テーブルよ、食事のしたくを」というと、とても上等なごちそうがあらわれた。

それはとても楽しい宴会になり、親戚のものたちは満足して帰った。

仕立て屋と息子3人はよろこびに満ちた生活を送ることとなった。

 

ところで、3人の息子を追い出す原因となったあのヤギは、頭が丸刈りになってしまったので恥ずかしくなり、キツネのほら穴に逃げこんだ。

キツネが戻ると、ヤギの目が暗闇で光ったので、怖くなり逃げてしまう。

キツネはクマにその怖いけだものの話をすると、クマは追い出すつもりでほら穴を見にいくが、やはりヤギの目をみると怖気づいて逃げてしまう。

クマがそこで見たもののことをミツバチに話すと、ミツバチがけだものを追い出す手伝いをするといって、ほら穴に飛んでいき、ヤギの頭を思いきり刺した。

すると、ヤギはとびあがって、くるったように走り逃げてしまい、それからだれもヤギのゆくえを知るものはいなかった。

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