KHM029 『金の毛が3本生えた鬼』のあらすじ

金の毛が3本生えた鬼(原題:Der Teufel mit den drei goldenen Haaren)

 

グリム童話、『金の毛が3本生えた鬼』のあらすじです。

 

* * * * * * * *

 

むかしあるまずしい女の人に男の子が生まれ、その子は福の皮をかぶって出てきたので、14になったときお姫さまと結婚するだろうという予言があった。

しばらくして、心の汚れた王さまが身分をかくしてこの村にあらわれ、その福の子の予言を耳にし、とても腹をたてた。

そこで、王さまはその両親をたずね、親切なふりをして、お金をたくさん出すので自分がかわりに赤子のめんどうをみるという申し出をした。

両親はきっとこれは幸運のめぐりあわせなのだと思い、赤子を渡してしまった。

 

 

王さまはその子を箱に入れ、深い川に投げこんで、これで姫をほしがるやつから姫を守ることができたと思い、去っていった。

その箱は沈まずに王さまの都から遠く離れたところまで流れていき、水車小屋でひっかかっていたところを幸運にもある若者に拾われた。

若者は中に赤子が入っているのを見つけ、子どものいない粉屋の夫婦のもとに連れていった。

夫婦は赤子を神さまからの授かりものだとよろこび、大事に育て、福の子はあらゆる徳を身につけて成長した。

 

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ある日、王さまが雷雨にあい、粉屋の夫婦のもとにきて、そこにいた大きな男の子のことをたずねると、夫婦はその子が14年前に箱に入って流されてきたのだということを話した。

王さまは、それが自分がかつて川に投げこんだ子だということに気づき、金貨とひきかえに男の子に手紙を持たせてお妃へ届けさせるように両親に命じた。

王さまはお妃あてに、これをもった男の子が来たらすぐに殺してしまえという手紙を書いて、男の子に持たせた。

 

 

男の子は家を出たが、森の中で迷ってしまい、1軒の小さな家をみつけて中に入るとおばあさんが座っていた。

男の子は手紙をもってお妃さまのところへ行くのだとおばあさんに話した。

おばあさんは、その家は盗賊たちの家だということを男の子に知らせたが、男の子はたいへん疲れているので休ませてくれるよう頼み、その家で眠りこんだ。

 

 

盗賊たちが帰ってくると、おばあさんが男の子の事情を話し、それをきいて盗賊たちは手紙の封を切って読んだ。

男の子が殺される運命だということを知り、かわいそうに思った盗賊たちは、その手紙を抜きだし、かわりにこれを持った男の子が来たら、すぐにお姫さまと結婚させるようにという手紙を書いて封をした。

 

 

男の子は翌朝、盗賊たちに正しい道を教えられ、お妃さまのもとへたどり着いた。

お妃さまは手紙を読むと、すぐに婚礼の準備をして、お姫さまは男の子と結婚をし、幸せに暮らした。

しばらくして王さまが戻り、福の子が娘と結婚をしているのを見て、手紙をすりかえられたことを知り、とても怒った。

王さまは福の子に、娘とこのままずっといっしょにいたいなら、地獄に行き悪魔の頭の金の毛を3本取ってこいと命じた。

 

 

福の子はその命令をうけ、旅に出た。

しばらく行くと大きな町があり、そこの門の番人と話をすると、番人は福の子にいつもワインがわいていた広場の泉がかれて、水も出なくなったのはなぜか教えてほしいとお願いをした。

福の子は、その答えを教えるから、自分が戻るまで待っていてと言いのこし、先へ進んだ。

しばらくしてまた別の町につき、そこの門の番人と話をすると、番人は福の子にいつも金のリンゴのなっていた木が、葉さえ出なくなったのはなぜか教えてほしいとお願いをした。

福の子は、その答えを教えるから、自分が戻るまで待っていてと言いのこし、先へ進んだ。

しばらくして大きな川のほとりにつき、そこの渡し守と話をすると、渡し守は福の子に自分が年じゅう行ったり来たりしなければならず、だれかと交代できないのはなぜか教えてほしいとお願いをした。

福の子は、その答えを教えるから、自分が戻るまで待っていてと言い、川を渡らせてもらった。

 

 

川を渡ると地獄の入り口があり、そこには悪魔のおばあさんが座っていた。

そのあまりいじわるに見えないおばあさんに福の子は、悪魔の金の毛が3本必要なのだということを伝えると、おばあさんは協力するといって、福の子をアリに変えて自分のスカートのひだに隠れさせた。

そして福の子は、おばあさんに2人の番人と1人の渡し守にきかれた問いの話をした。

やがて悪魔が帰ってきて、最初は人間のにおいがするとあたりを探したが、おばあさんに勘違いだととがめられ、晩ごはんを食べはじめた。

 

 

そして食後、悪魔はおばあさんに頭のシラミをとってくれとお願いをし、おばあさんのひざに頭をのせた。

そのうちに悪魔は眠りはじめ、おばあさんは金の毛を1本抜き、悪魔はその痛みで起き、おばあさんに文句をいった。

おばあさんは寝苦しい夢をみたのでつい毛をつかんでしまったといい、夢の内容を知りたがった悪魔に、夢でみた広場の泉のワインがかれてしまっていたのはなぜかとたずねた。

すると悪魔は、泉の中の石の下にヒキガエルがいて、それを殺せばまたワインが流れるということをおばあさんに教えた。

しばらくして、また悪魔は眠りはじめたので、おばあさんは2本めの金の毛を抜き、悪魔はその痛みでふたたび目を覚まして文句をいった。

おばあさんは寝苦しい夢をみたのでまた毛をつかんでしまったといい、夢の内容を教えてくれといった悪魔に、夢でみた木の金のリンゴが出なくなってしまったのはなぜかとたずねた。

すると悪魔は、根をかじっているネズミがいるので、それを殺せばまた金のリンゴがなるということをおばあさんに伝えた。

しばらくして、悪魔はまた大きないびきをかいて眠りはじめ、おばあさんは3本めの金の毛を抜き、悪魔はその痛みで目を覚まし、今度はおばあさんをおどしつけた。

おばあさんは寝苦しい夢をみたのでしかたないと悪魔をなだめ、夢の内容を知りたがった悪魔に、渡し守が年じゅう言ったり来たりして交代できないのはなぜかとたずねた。

悪魔は、だれかが来て川を渡りたいといったら、さおを押しつければ、自由の身になれるということをおばあさんに伝えた。

 

 

翌朝、悪魔が出ていったところでおばあさんは福の子をアリの姿から元に戻し、金の毛を3本渡した。

福の子はお礼をいって地獄を後にし、まずは渡し守に川を渡らせてもらい、渡し守がたずねた問いの答えを教えてやった。

そして、木のある町の番人のもとを通り、問いの答えを教えてやると、番人は福の子に感謝をし、金を積んだロバ2頭をお礼にわたした。

最後に、泉のある町の番人のもとを通り、問いの答えを教えてやると、番人は福の子に感謝をし、金を積んだロバ2頭をお礼にわたした。

 

 

福の子は無事に妻のもとへ帰り、王さまに金の毛を3本渡し、金を積んだ4頭のロバを見せると、王さまはすっかり満足した。

そして、王さまは金を積んだ4頭のロバのことをたずねると、福の子は王さまに、ある川辺で渡し守に川を渡してもらうと、そこで袋いっぱいの金が手に入ると伝えた。

欲深い王さまは、すぐに川に出かけ、渡し守に渡してほしいと頼むと、渡し守はむこう岸に着いたときに王さまにさおを押しつけて舟から飛びおりた。

それから、王さまは罰としてずっと人を渡し続けることとなった。

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