『奇妙な音楽家』のあらすじなど (KHM008)

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グリム童話『奇妙な音楽家』のあらすじや、物語の教訓・感想など関連する内容を詳しくお伝えします。

結末までネタバレしていますので、ご了承ください。

目次

『奇妙な音楽家』のあらすじ

奇妙な音楽家は、森の中を通っていた。

そこでバイオリンを弾き始めると、オオカミがやってきた。

音楽家はオオカミを仲間にはしたくなかった。

オオカミは「バイオリンを習いたい」と言い、音楽家は「わたしの命じることはなんでもやりなさい」と言った。

そして、オオカミは音楽家についていくことになった。

しばらく歩くと、カシの木の空洞に裂け目があり、音楽家はオオカミに足を突っ込むよう命じた。

そのとおりにしたオオカミの足を、音楽家は石で押さえつけてしまい、ずっと待っているよう言い残して去っていった。

退屈だと感じていた音楽家はまたバイオリンを弾いた。

すると今度は、キツネがやってきた。

音楽家はキツネも仲間にしたくなかった。

同じようにキツネもバイオリンを習いたいと言い、命令に従った。

音楽家についていったキツネは、ハシバミの木につるされ、音楽家は去っていった。

またバイオリンを弾くと、今度はウサギがやってきた。

ウサギも仲間にしたくなかった。

同じようにウサギもバイオリンを習いたく、命令に従った。

ウサギは首にひもをつけて、ヤマナラシの木のまわりをぐるぐる回り、ひもが巻き付いて身動きが取れなくなってしまった。

音楽家はまたウサギを置き去りにしていった。

そのころ、オオカミは自力で木から抜け出し、怒り狂って音楽家を追った。

途中でキツネとウサギとも合流し、全員で仕返しをしようとしていた。

音楽家はまたバイオリンを弾くと、今度は動物ではなく、きこりがやってきた。

初めて人間がやってきたことに音楽家は喜んだ。

そのとき、オオカミとキツネとウサギが復讐しにやってくるが、きこりがオノを片手にこの動物たちを追い払う。

音楽家はそのお礼にもう一曲聞かせたあと、旅をつづけていくのであった。

『奇妙な音楽家』の教訓・感想など一言コメント

音楽がキーワードになる童話。

バイオリン弾きに、動物がどんどんついてくるのがおもしろいストーリーです。

嫌々ながら動物たちを引き連れていた音楽家は、どんどん動物を見捨てていきます。

それで、最終的には仕返しをされるという、ある意味リベンジものです。

しかし結局、動物たちのリベンジは失敗に終わってしまいます。

エンディングは意外と平穏な感じですね。

音色を奏でる音楽家に動物がついてくるというのは、『ハーメルンの笛吹き男』の話にもちょっと似ているかもしれません。

今みたいにネットですぐ音楽が聴ける時代ではないので、音楽家は重宝されていたのでしょう。

グリム童話の時代(19世紀)なら、教会でもよくコンサートが開かれていた時代。

心の平穏を求める人が、音楽を聴きにきていたわけです。

音楽には人を(人以外も)惹きつける魔力がある、ということがわかるような童話ですね。

『奇妙な音楽家』の基本データ

収録ナンバー

KHM008

原作タイトル(ドイツ語)

Der wunderliche Spielmann

英語タイトル

The Wonderful Musician

日本語の別タイトル

  • 「きみょうな旅芸人」
  • 「不思議な楽士」
  • 「ふしぎなバイオリン弾き」

など

収録版

2版から7版まで

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